モヤモヤする日本の風潮(コスモポリタン目線)① 百の三オマージュ

 「百の三」とは、芸人で作家の又吉直樹さんのYouTubeチャンネル「渦」の一企画。この企画が好きすぎる私が、自分にもできそうなテーマ「モヤモヤする日本の風潮(コスモポリタン目線)」で百の三に挑戦します。まだ五つ目ですが、これから少しずつ増やしていくつもりです。

「コスモポリタン」とは、世界を股にかける国際人のこと。始めは「外国人」という言葉を使っていたのですが、「国内」「国外」という枠組みでは収まりきらないと感じ、この言葉を選びました。

一、英語圏の文化を崇め過ぎ

「海外の〜」と聞く時、つまり「英語圏のことを限定的に指しているよな」と思うことがよくあります。

そしてそれは大体、憧れの眼差しで語られていて、日本人がどれほど英語圏に対して劣等感を持っているかという表れのようです。

そんな時、私は「良い事ばかりじゃないですよー洗脳洗脳」「日本にもいいとこ沢山あるから踊らされすぎないでー」「そうやって西洋文化を鵜呑みにして嫌ってほど痛い目に遭ってきたんじゃーん」と冷静にさせたい衝動を抑えています。

「ヴィーガン」は精進料理の基本だし、「プロバイオティックス」は発酵食のことだし、「ミニマリズム」だって日本の伝統デザインや建築から影響を受けているし……。

「横文字」を見て「新しい」という錯覚を覚えたら、一度立ち止まって、日本にもその要素がないか振り返ってみると新たな発見があるかもしれません。

日本には最先端な文化が沢山ありますが、それらの多くが中国やインドなどから教わったことであるということも忘れない謙虚さでバランスを取りたいものです。

二、「自己紹介をお願いします」

「簡単な自己紹介をお願いします」。日本語のインタビューで、著名人に対してこのように言うインタビューアーが多過ぎる。

それ毎回、著名人に言わせる?と、私はモヤモヤしてしまう。極端な話、大統領に「自己紹介をお願いします」って言ったとして、違和感を覚えません?

英語だと”Welcome XXXX, who needs no introduction(もはや、紹介するまでもない〇〇氏)”などとインタビューアーが肩書きを省略したりすることはあるけれど大概、インタビューアーが簡単な肩書きなどを紹介をします。

たまに”Did I get that right?(今の紹介で間違っていませんか?)”と確認したりすることはあるが、”Please introduce yourself”ってなかなか聞いたことない。

結論:「簡単な紹介」はインタビューする側が調べ、インタビューされる側に確認してから、紹介する方がスマート。

三、何歳までジャンケンで決めてるのですか

日本では何歳になっても「ジャンケン」で物事を決めているのが不思議で堪らない。

いい大人がジャンケンしているのをテレビでもよく見る。

英語圏でも”Rock, paper, siccors say shoot”というジャンケンそのものの遊びがあるけれど、幼い子ども以外でそれをやっている人を見たことはないし、子どもでさえ何回もやる遊びではない。

では、どうやって物事を決めているのか? →言葉を使って交渉している。

理由はテキトーなことが多い。言ったもん勝ちみたいなところがある。”Because today is my day(今日は私の日だから)”と言われて、はい???となったこともあるが、”What are you talking about?(なにゆっとんねん)”と反論したければ、反論する。反論できない人は順番を譲ることになってしまう。弱肉強食の世界。

そういう意味でも、日本はあるていど平和なんだと思うし、それは素晴らしいことでもある。けれど、国内でしか通用しないジャンケンだけでなく、交渉術をする機会を増やした方が、地球人としてはよっぽど為になると思う。

四、少子高齢化が「問題」なのではなくて…

少子高齢化が問題視さる度に、問題をすり替えるのも大概にしてくれよ、と思う。

「産みたくても産めない人たち」ばかりに焦点が当てられ、「経済的に助ける」対策が語られるけれど、その裏で「産めるけど産みたくない人々の声」がピックアップされることがない。

私自身が「産めるけど産みたくない当事者」なのだけど、私が産まない理由はこうです。幼少期から虐待を受け続け、大人になっても複雑性PTSDという重度な精神障害を患っていて、自分に起きてきた災難の数々は社会の構造に由来すると分かり、子どもの人権が尊重されない社会に新しい命を増やすのは、虐待の連鎖を継続することになると痛感しているから。

子どもの減少が問題視されているのは、経済という物差しで測った場合。出産できるけどしない人々の抵抗や、心の豊かさよりも経済のために生まれてきてしまった子どもの心身の幸せは後回し。だから自殺率も高い。

結局この社会は今ある命もまともに活かせないのに、いたずらに増やせばなんとかなるという乱暴な発想で、戦前からの「産めよ増やせよ」のマインドから全く学んでいない。

五、年齢をすぐ聞く

初対面や出会って間もない人にも「何歳ですか?」と聞く人が多い。

中には「失礼ですが…」とわざわざ前置きしてから聞くパターンもある。失礼と思っていないから聞くんでしょう?

無礼と知りながら、なぜ年齢をそこまで知りたがるのか。

ちなみに日本以外で、このような会話を聞いたことがない。

英語圏では、なんの文脈もないところから、年齢を聞くことはない。

例えば、人生で画期的な過去の出来事を語っている人に、「ちなみにその時は何歳でしたか?」と聞くことがあるが、出会って間もない人に「今、何歳ですか?」とは聞かない。

年齢を聞いても何も分からない(=聞く意味がない)からだと思う。

世界(と言っても私は英語圏に偏っているが)では、宗教、人種、言語、政治体制など様々なことが違いすぎて、年齢では測り得ないことが多い。

日本も深く掘り下げれば多様なのだけれど、上記に挙げた要素が似たり寄ったりということになっている。

一方で上下関係が特に重要視されているから、相手が自分より年下なのか年上なのかという情報が必要不可欠なのだろう。

宗教や政治など摩擦を起こしやすい話題は、ジャンケンで物事を決めるほど平和的な日本人としては難易度が高過ぎるけど、その分、年齢の話は自由にできるから、そのことで盛り上がることができる。

「え?私より一個上?」「俺より二個下?」と、世界を股に掛ける者からしたらどーでもええことを永遠と飲み会の席で続けられるのも平和の象徴だとしたら、「平和の代償は退屈」と言えるかもしれない。

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